※このプロジェクトは完結済みです。順次記事をまとめていきます
まずは、こちらの画像をご覧ください。

ボディがお手製なこと以外は一見何の変哲もないこちらのスタックチャンがいますね。でもこれ、実は世界で初めてM5Stack Core2 v1.1で作られたスタックチャン1なんです。このシリーズでは、この子が生まれるまでについて、思い出しながらまとめていきます。
スタックチャンとは
簡単に説明します。スタックチャンとは、M5Stack シリーズを用いて作る、スーパーカワイイロボット(公式紹介文からの引用)です。シンプルながらどこか愛くるしさのある顔で、以下のリポジトリにあるプログラムだけでも、首を振ったり、音声合成でしゃべったりするなどしてくれる、とにかくかわいいミニロボットなのです。
スタックチャンの特徴として、こちらのサイト(ProtoPedia)を参考にまとめると
- 簡単に作れる(本来ならそのはずだった)
- 高い拡張性
- すべてがオープン
ということで、M5Stackシリーズのマイコンを持っていれば、誰でも作ることができる(はず)の、シンプルながら夢のあるロボットなのです。
はじまり
詳細は割愛しますが、なんやかんやあってM5Stack Core2 v1.1でスタックチャンを作ることになった私。当初は知人らと協力して進める予定で、メンバーの誰もが「すぐに終わるだろう」と考えていました。早速、スタックチャンのプログラムをダウンロードし、書き込んでみたところ……

動かない。ランプは光っているから、通電はしている。でも動かない。画面もつかないし、タッチに反応するそぶりもない。試しにサーボモーターをつないでも、全く動かない。なぜか全く動かなかったのです。
悪あがき
どうしても動かないスタックチャン。もしかして、環境が悪いのかもしれないと思い、以下のようなことを試してみました。
- コマンドを最初から再実行 → 変わらず
- ESP-IDF や Moddable SDK を再導入 → 変わらず
- Windowsだからだめかもしれないと思い、Ubuntu仮想環境2で試す → 変わらず
- ESP-IDFのバージョン問題を見かけたので、古いバージョンをインストールして試す → 変わらず
何をしても通電はするが、一切起動しませんでした。
困り果てて
どうしても動かず、ついに途方に暮れてしまったため3、私は意を決して、動かないことをGitHubのIssueで報告しました。すると、開発者のししかわさんから、衝撃すぎる回答が。なんと
Core2 v1.1はModdable側がまだ対応しておらず、改修が必要です。
https://github.com/stack-chan/stack-chan/issues/237#issuecomment-1920740578
つまり、M5Stack Core2 v1.1が新しすぎて4開発環境が対応しておらず、この時点では何をしてもCore2 v1.1でスタックチャン(Moddable版)を作ることはできなかったのです。
長いこと1人でずっと悩んだ末にいただいた回答がこれだったので、当時は膝から崩れ落ちるような思いでした。しかし、次に来たししかわさんの返信から、このプロジェクトの方向性は大きく転換することになったのです。
次回(執筆予定)へ続く
脚注
- スタックチャンのGitHubページのIssue、Web検索などにおいて、私が調べた範囲では誰一人問題提起していなかったため、少なくともModdable版スタックチャンにおいて、SNSやWebサイトなどで共有されている個体の中では初めてだと考えられる。 ↩︎
- 実機はないし、すぐに用意できる状況でもなかったので ↩︎
- ちなみにこの時点で、製作開始から1~2か月ほどたっていたと記憶しています。 ↩︎
- M5Stack Core2 v1.1は2023年11月下旬の発売。この記事の内容は2023年12月~2024年2月ごろの話。 ↩︎
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